リセマラも知らない始めたての頃、俺はチュートリアル後のレアガチャでオオクニヌシを当てた
6コンボで攻撃力が3.5倍、パズドラをよく知らない俺はこれが強いのか弱いのかよくわからなかった
ただ、コンボ数で攻撃力が上がるなんて、まるでコイツは『パズルの神様』のようだと思った

しかし待ち受けていたのは6コンボの壁
せいぜい4コンボ程度、なんとかダンジョンはクリアしていくが、オオクニヌシのリーダースキルが発動する事は一度もなかった
オオクニヌシはまるで、お前なんかに俺を使いこなせるのか？と嘲笑うかのようにリーダーの座から俺を見ていた

負けず嫌いな俺は、無限回廊にこもりひたすらコンボの練習をした
そしてようやく平均5.5コンボくらいにまで上達した

そして自信のついた俺は、ようやく難易度の高いダンジョンへと駒を進めた
一度入ってみて、道中で火力が足りずに死んだダンジョンだ
「ついにリベンジだ」
そう意気込む俺に、オオクニヌシは豪快に笑った「あの青二才だったお前が…いい顔じゃねーか」
このとき、すでに俺とオオクニヌシは良きパートナーになっていたのだった

オオクニヌシのリーダースキルを発動させながら進んでいく道中。いける、いけるぞ！！俺は確信を持った
そして待ち構えるボス…相手のターンは1ターン。
「よし、一気に決めるぞ！！行くぞ、オオクニヌシ！」
3コンボ、4コンボ、5コンボ、、！くっ、だめだ！
相手からの強烈なダメージを食らう！
次、次で決めなければ…またしても…！
しかしそこに広がる盤面は俺のレベルじゃどうあがいても6コンボなんて組めない。
「俺は…また、負けるのか？」
パーティーのモンスターたちも、もはや諦め顔だ。
敵ボスの高笑いが響く

「何言ってんだ坊主」
静かに、低い声が木霊する。俺は顔を上げた
そこには悪戯っぽく笑うオオクニヌシが居た
「まだ、まだ諦めるな。お前のコンボはこんなもんじゃねぇ！！あの日々を忘れたのか？」
無限回廊で血のにじむほどドロップを転がした日々…そうだ、俺は…まだ負けちゃいない！！
「やっぱりいい顔をしやがる。行け、俺が時間を稼ぐ！！秘技…国連の妙技！！！！」
相手のターンが1ターン増えた！！
「オオクニヌシ…！！うぉおおおおおお！！！」
全力でドロップを転がす。こうして、こうして、こうして…！！迫るドロップ操作時間、、！！
「あぁっ！！！！」
……ダメだった。5コンボしか…組めなかった…
敵ボスがニヤリと笑う
「……まだ諦めるなと言っただろう？」ニヤリ
しかしオオクニヌシもまた、ニヤリと笑った。

ティン、ティン、ティン、ティン、ティン……ーーティン！！

「！落ちコンで6コンボに！！」

ギュイ～ン！！！！

「…グァアああああ！！！」

敵が倒れる。やった、遂にやった！！

「そうか、お前は…オオクニヌシは……パズルの神様なんだよな」
「喜んでる暇はねーぞ、まだまだ強い敵は居るんだからな」

「…あぁ！行こう！！」

こうして俺とオオクニヌシと、その仲間との旅は続く。
俺にはパズルの神様が付いてる……だから、俺はまだまだ強くなれるんだ、そう思った。